民生委員が、お茶をもってきた。
「あらあ、こんなの、もらわなくてもいいのに」と、母が言う。
「でもまあ、そういうことになってますから」と、民生委員が答える。
「こーんなのに使うお金があったら、もっと他に回せばいいのに」。帰った後、ぶちぶち言っている。
「そーだねえ。若い人に回せって思うよねえ」
「そーだよ」
「でもさ、実は様子を見に来てるんだと思うよ。すぐ出てきたかとか、元気そうにしゃべってるか、とかさ」
「ふーん。でもいらないんだけどお茶。どーせ安いんだろうし」
今日の午後、クルマに母と近所の人を乗せた。
後部座席の会話。
「民生委員の人、来たでしょ。お茶持って」
「来た来た。いらないのに。もっと他のところにお金使えばいいのにね」
「でもあれ、けっこういいお茶よ(中略)。ところで、お宅は、後期高齢者がふたりでしょ。そうすると、お茶はふたつになるの?」
「・・・・・・。箱だったからわかんない」(実のところ、開けてもいない)。
「うちはひとりだからひとつなんだけど、ふたりいるところは、ふたつなのかと思って」
「どうなんだろう・・・」
帰宅後開けてみたら、ひとつでした。そりゃそうだ。
でもまさか、ふたりいるんだからふたつよこせ、とかいう人がいたりして。うへぇ。
「思ったより、いいお茶かも。でも80グラム」。母は容赦無い。