年末バーゲンで、九谷焼の皿が安く売られていた。
「あー九谷焼。昔、おばさんの家にいっぱいあった。捨てられてたもんねえ。あれ貰ってくればよかった。いい九谷焼とか薩摩焼とか。値打ちがわからなかったからねえ。こういうの見るたびに勿体なかったと思うよ。価値がわからないってそういうことだよねえ」。母は九谷焼を見るたびに残念がる。
年末年始で実家を片付けようとか、とにかく捨てようとか企んでる特集が多いみたいだけどさ、ほんとーに価値がわかってできるのかねえ。それにそもそも、自分のものじゃないからね、その「ゴミ」。1年に一回顔を出すか出さないかの人間が、たかが数日でひとの持ち物の片付けなんてできるわけない。