病院の待合室で、聞いたことのある声がすると思ったら、お世話になっている知り合いだった。嬉しくて、思わず声をかけて、
「お元気そうで」
「そうでもないんだけどねえ」
「・・・そうでした、病院でした」
道化たことを言ってしまった。
これじゃ、「しばらく見かけないけど、病気なのかねえ」という、病院の待合室コントになっちゃうじゃないか。
「あ、でも今日は薬貰いに来ただけだから」と、気遣ってくださる。それから、名前を呼ばれるまで1時間弱、おしゃべりした。
今日は殊更待ち時間が長くて、入ってから出るまで、ほぼ4時間。
でもさー。
これじゃ全く、病態のよろしくないひとは待合室にいられない。
というより病院に来られない。この暑さの中、支度して家から出て辿り着いて4時間。ムリ。
父は新聞眺めてうとうと、母は棚にあった週刊朝日をすべて読破してうとうと。わたしはそれを横目で見ておしゃべり。なんと平和な。ありがたいことだ。