夕食に参鶏湯を食べた。生活クラブで配達された、レトルトパック。
小さめの鶏がスープにどんと入って、温めて10分、と書いてある。玉ねぎ入れてもいい、とあるので、嵩増しにたっぷり入れる。
評判は上々。鶏肉がほろほろ崩れる。中に詰まってる高麗人参やナツメが出てくる。
「ごぼうにしか、見えないよねえ」と高麗人参を指差して家人が言う。
「滋養強壮。食べねば」と意気込むと、「えーっ、それ、だしなんでしょ。栄養はみんな、スープに出ちゃったんじゃないの」と言う。
「そんなのあるー? 時代劇でさ、密輸してるよ。病気の家族に食べさせるって、必死に買ってるよ。それなのに、だしでおしまいって、そんなことってあるー?」
「食べてもいいけど、おいしくないよ」と家人は断じる。「味が無い。食べてみればいいじゃん」。
大学院生が最初に挑戦することになった。「ふん。まずくはないけど、おいしくもない。柔らかい」。
わたしもひとかけかじった。ふにゃふにゃでもなく、もちろん固くなく、でも味はない。
渋っていた母もかじった。「思ったより、おいしい。あら。この食感は、悪くない」。
「そーだよねー」と大学院生も同意する。「えーっ」と家人が言う。
「悪くないね」と言いながら、残りの3センチは母が食べた。
「身体に良いからね」とわたしは言い張る。
それがおとといの夜。ここんとこ、ちょっと咳が出て心配してたけど、今日は全く咳してなかった。
もしかしてひょっとして、高麗人参の、効能……?