からし、わさび、そして歯みがき。どれもチューブを絞ればまだ出る。「満員電車にはあと一人乗れる。つまり、満員電車にはいくらでも乗れる」という言葉に従えば、「チューブにはあと一回分ある。つまり、チューブはいくらでも絞りだせる」。そしてそれは経験上、ずいぶん正しい。
だがしかし。
常に予備を置いていると、いつの間にやら新しいチューブが並んでいる。みんなてんでにそっちから使う。楽だし。自分じゃ買ってこないし。そして「あと一回」理論のわたしは、いつもいつも、限界まで絞り出してる。なんかおかしい。と思いつつ止められない。だってあと一回分絞り出せるから。でもわたしだって新しいのを使いたい。だから今日だけがんばる。そんで使い切ったと捨ててやる。よし今日こそ、その一回を絞り出せ。