句会に参加した母を迎えに行ったら、「びっくりしたねー」「勉強になったねー」と話しながらくたびれた様子で何人かが出てきた。
「たいへんだったのよー、途中で倒れた人がいて、救急車来て」と、クルマに乗るか乗らないかで母が言う。
まとめるとこうだ。
新年の食事会が始まって間もない頃、すーっと前のめりになった人がいる。あれ、なんか落とした? 探してる? と思ったけど様子がおかしい。そのまま動かない。みんなで名前を呼びながら、救急車だ救急車、家族にも連絡しなきゃ、となったらしい。
「それでね」、と母は続ける。「119ってのがわかんなくなっちゃって。109とか009とか違うところにかけちゃって、つながらない! ってなってて」。母は今日、携帯電話を家に置いてきていた。「そしたら、市外局番がいるんだよ、って人もいて、大変だった」
そりゃあ、大変でしょうよ。
救急車が到着する前に意識も戻り、結局は貧血だったらしい。よかったよかった。
それでも、
「みんな、呼んだことなんかないからさ、いやあ、勉強になったねえって」
そりゃできれば呼びたくも呼ばれたくもないけどさ。
焦って慌てるのはすごくよくわかるけど、
でも、救急車の呼び方わかんないのはまずいだろー。
119にかける。市外局番なんか要りません。
後は訊かれたことに答える。どこかってことは答えないといけないので、通りすがりに遭遇したようなときはがんばって位置を探す。
気道確保とか応急処置とか、やるべきことがあればそのまま教えてくれます。
…ということを、中高年に教えておかないといけない気がする。
若く保つ秘訣とかやってる場合じゃないぞ。