「ドバイの話、うまちゃん(母)が読んだら、絶対止めるよ」と、7月11日の記事を読んだ姉が断言した。
かつて、ジェットフォイルで佐渡に行くと言ったら、「洞爺丸沈没」の話を持ち出され、全力で反対された。結局、発熱して行けなかったけど。そんな前歴がある。
案の定。
「ふぅーーーん」と、いかにも好ましくないという風情で読んでいる。「行く気じゃ、ないでしょ」と念を押す。
「行きますよ」、すました顔で言ってみる。「ひとりじゃ、ないでしょ」「まあそうだけど」。
「なら、しょうがないけど」と不満げ。「なんか他にもっと行くとこ、あるでしょうに」「いえ今のところ、別に」。
「まあいいけど」と、溜息をつかれ、「今までも、散々、驚かされてきたから。ほら、あの、「運命」の」。
しまった。
友人とカナダに旅行したとき、知り合いの家に泊めて貰った。電話番号を教えていったので、別にこちらから家に電話はしなかった。すると。
「あんまり連絡ないからさ、どうしてるかと電話してみたら、突然、「ジャジャジャ、ジャーン!」とベートーヴェンの運命が鳴ってさ、もう、心臓止まるかと思ったよ」
まだ留守番電話が普及していなかった頃、どきどきして海外に電話して、いきなりそんな音が来るとは想像してないもんなあ。そりゃびっくりさせましたね。
「あのときもさあ、びっくりしたけど」
・・・。
「夜遅いから、携帯に電話してみたら、男の人が出てさ、もうびっくりして、慌てて切って、そしたら」、何度も話してるから、間の取り方まで絶妙になってる。
「すぐ電話かかってきて。「あのすみません、この電話、忘れ物なんですけど」、って言われて!」
・・・・・・。
「それから夜中に、」
もういいです結構ですたいへん申し訳ありません、ドバイは・・・果たして行けるのか。