「正座ができない」方はおふたりだった。
でも、全然様子が違う。
ひとりは、段差にも苦労され、椅子に座るのがやっとだった。IKEAの白い椅子は、背もたれがなく、低いので却下。「自分ばっかりいい椅子で気が引ける。お客さまの椅子がいる!」と母が主張して匠大塚で買った椅子が導入された。
もうひとりは、椅子を持ったまま歩ける、んだけど、「大腿骨の手術して、正座がだめだって言われてるの」だった。
同じ「座れない」でもいろいろある。
母もずいぶん前に膝を痛めて、正座がだめだった。
この春に近所の方が亡くなったとき(2014年の入院で、自分がそれどころじゃないのに「いい人がいるから!」と病室からわたしに指令して紹介した、から母と同じケアマネージャーさんとヘルパーさんにお世話になってた)、弔問にうかがった母は、玄関の段差を上がるのがやっとだったのに、ふらふらになりながら、正座してた。後から「こんなに座れないとは思わなかった」とぶつぶつ文句言ってた。わたしは、なんとまあ、よく座れたねと思った。
主がいなくなったその家が、すっぽり工事用に覆われている。
解体するのかどうなのか、わかんないけど。